ROOTS
連載
株式会社布引製作所のルーツ
世界一の技術力を証明したφ0.25の4055メッシュ
布引製作所の技術力を証明するものとして、昭和41年に中小企業庁より合理化モデル工場の指定を受け、以後、毎年審査をクリアし続け、平成8年4月の制度終了時には長年の経営合理化の推進に寄与した実績を認められ、感謝状をいただいたという経歴があります。
そんな布引製作所の打抜スクリーン(パンチングメタル)技術を結集し、最小孔径・最高密度の製品づくりにチャレンジしたのが昭和47年頃のことです。ドイツの企業が1インチ四方の中にφ0.25で約3500個の孔を開けたのに対し、布引製作所では同じ1インチ四方の中に90°並列でφ0.25の孔を4032個、60°チドリ配列でφ0.25の孔4055個を開け、開孔率30.7%の極小孔・高密度の打抜スクリーン製作に成功しました。この製品の金型では、200mm幅で500本以上のパンチが付いており、これを熟練の技術者がひと孔ひと孔、ドリルで地道に開けていきます。金型の構造上、上型とダイ型は100分の1mm以下の微妙なクリアランスですべての針を寸分狂わず組み合わせる必要があります。こうした作業には根気と忍耐が必要とされ、修得には長い期間がかかるため、一朝一夕でできる技術ではないのですが、体得できた技術者はお客様の要望に応じた金型を製作していけるようになるのです。
布引製作所のカタログの表紙に使われている
4055メッシュの製品写真
現在でも、1インチ四方にφ0.25の孔を4055個開ける技術レベルは世界一であると自負しています。